12.26

細田ひとみ社長のペットシッターの未来像とは?
「poolden」の社長である細田ひとみさん。「poolden」はペットシッターやペットホテル、トリミングやペット介護など、ペットサービスを展開している会社です。
ご自身の愛犬をペットホテルに預けた時に愛犬に辛い思いをさせてしまった経験から、この事業を思いつきました。「人もペットもみんなで幸せになろう」と、飼い主もペットを置いて出かける罪悪感や不安を感じることなく、ペットもストレスなく留守番できる環境づくりを目指しています。
幼少期から母子家庭で4人兄妹の長女として育った細田ひとみ社長。当時のシングルマザーをめぐる環境は今以上に厳しく、母親が働き詰めで体調を崩したり精神が不安定になったりする姿をずっと見て育ちました。
そのため、「自立できる女性になる」ことが彼女の人生の一大テーマ。高校生の頃から起業意識が高く起業家を志し、起業するためには高学歴が必要と奨学金で大学に進学します。大学卒業後の大手生命保険会社の営業職に就職し、トップセールスの実績で社会人2年目にして年収は800万円を超えました。
細田ひとみさんが痛感した経営者としての甘さや未熟さ
弟や妹の学費のため3年間勤務し、その後独立して事業を開始しました。しかし、起業に対する覚悟の薄さや経営の甘さや未熟さなど、経営者としての自覚が不十分なまま起業したために、事業に失敗しても会社も手放すことになってしまいます。
ある会社の方に「細田ひとみさんの会社には理念とビジョンがないんですよ。」と言われ、「とにかく起業したい」との思いしかなかったことに気づかされました。それから結婚して出産し、しばらくは仕事から離れた生活を送っていたのですが、時間が経つにつれてまた起業したい思いが強くなりました。様々な経験を経て、ようやく「経営者」という自覚を持って再スタートをきり、現在の会社を起業しました。
以前は周りの社長さんは男性ばかりと男社会の中で、「女だからという偏見や中傷には負けたくない」と肩肘張って無理やり自分を鼓舞して働き、頑張れば頑張るほど周りからは「女のくせに」という目で見られている気がしてならなかったのですが…
出産してからは、やっと「女社長」という偏った先入観から解放されました。ひとりの母となりしz船体で生きられるようになり 、自然体で仕事に取り組めるようになったそうです。
細田ひとみさんが出産して感じたことは、子どもと過ごす時間には何ものにも替えがたい価値があるということ。また、仕事も生きていく上で必要な社会性を磨くために欠かせないものだということです。「女性は育児も仕事も諦めることなく、両立を目指してほしい」と話されました。
限られた時間を有効に使う細田ひとみ流育児と家事の両立
一般的に、女性が育児と仕事を両立するということは難しいとされています。仕事をしないで育児に専念している女性でさえも乳幼児に一日の大半の時間を振り回されてへとへとになるのですから、仕事を持つ母親が家事と育児を両立するのは難しいでしょう。
細田ひとみさんも「育児と仕事の完璧な両立は無理」と話されました。それでも諦めたくないと、限られた時間を有効に使い育児と家事の両立をしようと努力されています。
ある経営者に、「時間の使い方がうまい人は、自分の時間の使い方をよく理解している。」と言われたそうです。それから、時間の使い方を理解しようと「起きたことを書いていくスケジュール帳」を使用されています。
一般的にスケジュール帳はこれから起きる予定を書き込みますが、「起きたことを書くスケジュール帳」にはその日に起きたことを書き込まれています。予定のスケジュールと実際にその日をどんなふうに過ごしたのかを比べてみると、思ってもみないことに時間を使っていたことがわかったりするそう。
「起きたことを書くスケジュール帳」で時間の使い方を検証し、時間の使い方を見直されているそうです。時間をうまく使うため、時間のかかるものに気をつけて「無駄なことをしない」ということを心がけられています。
細田ひとみさんの「ビジネスでの無駄なことはしない」は「二次会には行かない」「ゴルフをしない」の2つです。
会食を避けることは難しいですが、二次会までつきあうと帰宅時間が遅くなり、家事をする時間がなくなってしまいます。早く帰宅することで、少しでも家事をするための時間を持たれています。
ゴルフは移動時間も含めて時間がかかり過ぎるため、せっかくの休日に家族と過ごす時間もなくなってしまいます。2日ある週末の休日の1日だけでも仕事を入れないことで、家族で過ごす時間を持たれています。
「自分も育児と仕事を完璧に両立させることはできず、子供と接する十分な時間はありません。しかし子供といつも一緒にいることが大切なのではなく、一緒にいることができる時間を大切にすることが大事だと思います。」と話されました。
「poolden」では子供をもつ女性が多く働かれています。同じ環境の女性や自分の環境を理解してくれている女性が多いことから、お互いの仕事を助け合ったりすることもできます。女性としても母としても輝くため、細田ひとみさんと同じように結婚して子供が生まれてもそのまま働く女性が多いのです。
ペットサービス「poolden」は陽性強化を大事にしている
「陽性強化」という単語の意味を理解することができる方は少ないと思いますが、英語では「Positive Reinforcemen」となります。
ポジティブとは、辞書で調べると肯定や前向き、陽性、正などの言葉が並び、これだけを見ると悪いイメージはありません。
しかし、「陽性強化」となると一般的にはあまり理解してもらうことができず、一番わかりやすいのは「肯定するトレーニング」だと思います。
それでは何を肯定するのでしょうか。
細田ひとみさんは「現在あなたの行っていることは合っているよ」と正しいことを肯定して褒めることで、犬が正解を出す頻度を上げると言います。
その結果、その行動を出しやすくし、身につけさせていくのが「陽性強化」のトレーニング法です。状況に応じて犬の好きなオヤツを使うこともあります。
ここでのポイントは、犬が正解を出しやすくなる環境を人間が作ってあげることです。人間は失敗しながら学んでいきますが、犬は失敗(エラー)が続き褒められなくなると学習意欲が落ち、考えることを放棄してしまうこともあります。
また、犬が正解を出したとき、「合っている」と伝えるタイミングも重要です。誤ったタイミングで褒めてしまうと、犬は違うことを学習してしまいます。
トレーニングでは、クリッカー(カチッと音が鳴るトレーニングツール)を使用してタイミングを逃さず正解であることを伝えていく方法がありますが、人間が「そう!」や「イエス!」と言ってあげても構いません。
しかし、「よくできたね。おりこうさん」と「オスワリ」した瞬間を褒めようとしたのに、犬が立ち上がってしまうこともあります。
一つ一つ厄介ですが、特に都会での犬との暮らしにはどうしても周囲の環境が大きく影響します。
近所に住んでいる小さい子どもが玄関前を走って遊んでいるようなときは、愛犬に大人しく伏せているように言う必要もあります。放置したままにしておくと子どもを追いかけてしまう可能性があるためです。
もしも事故が起きれば、責任を取らなければいけません。愛犬を守ることができるのは飼い主だけです。
愛犬にとっては楽しいことではないかもしれませんが、「オスワリ」や「フセ」をきちんと教えておく必要もあります。
本格的なオビディエンスでもそうでなくても、犬に楽しく学習してもらうことが陽性強化トレーニングです。